48歳の頃、最初は
- 「肩が重いな」
- 「最近、姿勢が悪いせいかな」
くらいに思っていました。
デスクワークのせいだろうと軽く考え、湿布を貼ってごまかしていたのですが、ある朝シャツを着ようと腕を上げた瞬間、電気が走るような痛み。
思わず声が出ました。
整形外科に行くと、医師はあっさりと「40肩ですね」と一言。
そうか、ついに自分もその年齢か――少しショックだったのを覚えています。
その後、痛みは数ヶ月続き、夜も寝返りを打つたびに目が覚めるような日々。
ようやく落ち着いてきたと思ったのも束の間、今度は50代に入って“再発”。
しかも今回は、以前より長引くし、痛み方も違う。「40肩が50肩に“出世”した」と笑ってみたものの、正直なところ、笑えないほどしんどい期間もありました。
でも、あの痛みを経験して初めて気づいたこともあります。
加齢というのは、ただ衰えることではなく、体が新しいバランスを探しているということ。
無理に若い頃と同じように動こうとするから、どこかに負担が出る。だからこそ焦らず、痛みと付き合いながら、自分のペースで整えていくことが大切だと感じました。
この記事では、私自身の40肩・50肩の体験を通して見えてきた「年齢と痛みの関係」についてお話ししていきます。
40肩・50肩とは?実は「同じ病気」だった?
呼び方が違うだけで原因は同じ?
「40肩」「50肩」という言葉、よく聞きますよね。
実はこの二つ、医学的にはどちらも“肩関節周囲炎”という同じ病気です。
つまり、40歳でなれば「40肩」、50歳でなれば「50肩」と呼ばれるだけ。
名前が違うだけで、本質的には同じです。
原因は明確には解明されていませんが、加齢や血流の低下、筋肉や腱の柔軟性の低下などが関係しています。
日常の動作(洗濯物を干す、背中に手を回す、髪を洗うなど)で「ズキッ」と痛むのが特徴。
放置しても数年で自然治癒することもありますが、**放置しすぎると“肩が固まる”**こともあり、注意が必要です。
なぜ40代後半~50代で起こりやすいのか
40代後半から50代にかけては、体の“修復力”がゆるやかに落ち始める時期。
筋肉や腱が硬くなりやすく、同じ動作でも負担が蓄積しやすくなります。
加えて、デスクワークやスマホなどで“前かがみ姿勢”が増えると、肩関節の動きが制限され、炎症を起こしやすくなるのです。
つまり、「年齢による変化+生活習慣」が重なることで、肩が悲鳴を上げる。
40代後半で始まって、50代で再発——まさに“出世コース”のような肩の痛みです(笑)。

放置すると“本当に”肩が動かなくなるリスク
私もそうでしたが、「そのうち治るだろう」と放置すると、肩の可動域がどんどん狭まります。
最初は痛みを避けて動かさない → さらに筋肉が固まる → 余計に痛い、という悪循環。
いわば“サボった分だけツケが回る”タイプの病気です。
放置期間が長いほど、**「凍結肩(フローズンショルダー)」**と呼ばれる状態になりやすく、回復までに年単位かかることもあります。
早めに「痛くても動かす」「でも無理はしない」このバランスが大切なんです。
48歳で発症した私の「40肩体験」
最初はただの肩こりだと思っていた
48歳の頃、最初は「肩こりがひどくなったな」程度の感覚でした。
パソコン作業が多く、姿勢も悪かったので、まさか病気だとは思っていませんでした。
ところが、ある日、洗濯物を干そうと腕を上げた瞬間に「ビキッ!」という痛み。
それ以来、夜寝返りを打つだけでも痛くて目が覚めるようになりました。
これはおかしいと思い、整形外科に行ったところ、「典型的な40肩ですね」と診断されました。
普段は気にならないのに、不意に走る激痛(あるある体験)
普段の生活では意外と痛みを感じない瞬間もあります。
ところが、不意にズボンを履こうと腕をひねったり、上着を脱ごうとしたりした時に「ギャッ!」と叫ぶレベルの激痛。
あの“油断してる時にくる痛み”は、経験者ならわかると思います。
しかも、私の場合、痛みは夜に強く出るタイプ。
寝返りのたびに目が覚める日が続き、慢性的な睡眠不足にもなりました。
心も体もジワジワ削られていく、そんな日々でした。
そして50代に突入、今度は“50肩”に出世?
「また来たか…」と笑うしかなかった再発
40肩がようやく落ち着いたと思ったのも束の間、50歳を過ぎた頃にまた肩に違和感。
「まさかね」と思ったものの、あの独特の痛みが再び襲ってきました。
気づけば、“40肩から50肩に出世”。
笑うしかありませんでした。
前回と違う!痛み方が“慢性化”してきた理由
40代の時は“急に痛い”が中心だったのに、50代では“ずっと重だるい”。
痛みがじわじわ続き、肩を動かすたびに“きしむ”ような感覚がありました。
医師によると、これは炎症+血流低下+筋肉の柔軟性低下が同時に進むためだそうです。
若い頃のように回復が早くない。
「年齢ってこういうことか」と、少ししみじみしました。
50肩との付き合い方|焦らず、動かしすぎず
やってはいけない「我流ストレッチ」
よく聞くのが、「痛いけど、無理してでも動かした方がいい」。
私もそう思って、自己流で腕を回したり、引っ張ったりしていました。
結果、逆に悪化。
肩関節はデリケートで、無理に動かすと炎症が広がります。
整形外科医や理学療法士の指導を受けて、“痛気持ちいい”くらいで止めることが大切。
焦りは禁物です。
温める?冷やす?痛みが強い時のケア法
痛みが強い「急性期」は冷やして炎症を抑える。
動かせるようになってきた「慢性期」は温めて血流を促す。
この「冷やす⇔温める」の切り替えがポイントです。
私の場合、入浴時に肩をゆっくり回すのが効果的でした。
湯船で温めると少しずつ動きが戻り、夜の痛みも軽減。
小さな積み重ねですが、確実に回復へつながりました。
医師・整体・ストレッチの“正しい使い分け方”
50肩は人によって症状が違うので、まずは整形外科で診断を受けることが基本。
その上で、整体やストレッチを取り入れるのは良い選択肢です。
医師に「やってもいい」と言われた範囲で、軽い運動を続けましょう。
リハビリに通うのが難しい時は、YouTubeの理学療法士チャンネルなどもおすすめ。
ただし、“誰でもできる”という言葉には要注意。
自分の体に合った動かし方を選ぶことが大事です。
まとめ|肩の痛みは「体からのメッセージ」
焦らず、自分のペースで向き合う
40肩・50肩は、頑張りすぎてきた体が「少し休ませて」と言っているようなもの。
焦らず、痛みと上手に付き合うことが大切です。
私も無理に動かそうとして悪化した経験があります。
「今日はここまで動いたらOK」と、自分のペースで少しずつ前進。
それだけで十分なんです。
「40肩・50肩」を通じて体と心が少し優しくなれた
痛みと向き合う時間はつらいですが、
「体を大事にすること」「無理をしないこと」を改めて学ぶ機会でもあります。
以前より、自分の体にも、他人の痛みにも、少し優しくなれた気がします。
40肩・50肩は決して“老いの象徴”ではなく、
これまで頑張ってきた証のようなもの。
体と相談しながら、少しずつ、また動ける日を楽しみにしていきましょう。


