伝統の古典菊 遊び・観光

くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」

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くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」

くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」について

古くから日本人に親しまれてきた植物を紹介する「くらしの植物苑特別企画シリーズ」で、伝統の古典菊が展示されます。平安時代に中国からもたらされたとされる菊は、不老不死のシンボルとして貴族や武士に愛され、さまざまな品種が生み出されてきました。くらしの植物苑がこれまでに収集した品種や、同苑が種から実生した新花など、100品種を超える古典菊が展示されます。

「伝統の古典菊」の魅力

菊は、日本を代表する園芸植物のひとつです。菊は日本在来の植物ではありませんが、平安時代の宮廷ですでに菊花の宴が流行していたことから、遅くとも律令期には、他の文物とともに中国からもたらされていたと考えられています。平安・鎌倉時代からは日本独自の美意識により、支配者層の間で独特の花が作り出されました。筆先のような花弁をもつ「嵯峨菊(さがぎく)」は京都の大覚寺で門外不出とされ、花弁の垂れ下がった「伊勢菊(いせぎく)」は伊勢の国司や伊勢神宮との関わりで栽培されました。そして、菊は支配者層の中で宴に、美術工芸品に、不老不死のシンボルとして特権的な地位を築いていったのです。

それが、近世中頃以降になると大衆化し、変化に富む園芸種の菊花壇や、菊細工の見世物が流行したと言われています。それらの流行を支えたのが、花弁のまばらな「肥後菊(ひごぎく)」と、咲き始めてから花弁が変化していく「江戸菊(えどぎく)」です。これらに花の中心が盛り上がって咲く「丁子菊(ちょうじぎく)」を加えた伝統的な中輪種は「古典菊」と呼ばれています。

くらしの植物苑では、このような「古典菊」を2000年から収集・展示してきました。今回は、各地方で独特な特徴を持った古典菊を約120品種と歴博で実生栽培したオリジナルの嵯峨菊、肥後菊など約20品種が展示されます。また、今年度は「外国人がみた古典菊」をテーマとして、プラントハンター(植物収集家)のロバート・フォーチュンが執筆した『江戸と北京』と旅行家のイザベラ・バード『日本奥地紀行』を題材とし、彼らが関心を抱いた菊について、パネルで紹介します。

ロバート・フォーチュンとイザベラ・バードについて

ロバート・フォーチュン(1812-1880) スコットランド生まれ。
1860(万延元)年に来日。著書『江戸と北京』(講談社学術文庫、1997年、初版は1863年)
イザベラ・バード(1831-1904) イギリス生まれ。
1878(明治11)年に来日。著書『日本奥地紀行』(平凡社、2000年、初版は1880年)

「伝統の古典菊」主な展示内容

くらしの植物苑で収集し、栽培・育種した古典菊(嵯峨菊17品種、伊勢菊12品種(松阪菊3品種を含む)、肥後菊32種、江戸菊35品種、丁子菊10品種)と、江戸菊や肥後菊と同じく近世中頃からつくられている奥州菊10品種、また、当苑で種から育てた実生の新花約20品種を苑内の東屋周辺、ハウス、よしず展示場に展示します。

●出展品種 計140品種(歴博オリジナル約20品種含む)
●出展鉢数 約500鉢

肥後菊

宝暦年間(1751~1754)、肥後の名藩主といわれた細川重賢が、文化政策の一つとして栽培を奨励したと伝えられています。文政2(1819)年に肥後藩主別当職の秀島七右衛門が養菊指南車」という著書をあらわしてから、独特の栽培法が確立しました。

肥後菊

江戸菊

文化、文政期(1804~1830)に江戸市中において大流行しました。花の咲き始めは周辺の舌状花の花弁が垂れ下がり、中心部の筒状花が見えます。さらに咲き進むと中心部に近い舌状花の花弁から順次立ち上がり、いろいろに折れ曲がって筒状花を包み込むように抱えます。江戸菊は蕾から咲き開くまで10日、開いて狂いながら10日、完全に狂って(芸して)10日と、長く楽しめる花です。

江戸菊

嵯峨菊

京都嵯峨地方で嵯峨天皇のころから栽培されていたとの説もありますが、伊勢菊と同様江戸末期頃に品種が成立したと考えられます。2m近くまで伸ばす仕立て方は嵯峨菊独特で、皇居の殿上の回廊から観賞できるようにしたといわれています。明治時代になるまでは大覚寺のみで栽培され、門外不出でした。糸のように細い多数の舌状花の花弁が、咲き始めは横に向いて開き、花芯を露出し、花弁がほぼ伸びきると真直ぐに立ち上がって刷毛状に咲くのが特徴です。

嵯峨菊

伊勢菊(松阪菊含む)

三重県松阪地方で、天保、嘉永(1830~1855)頃から栽培されている中輪の花です。嵯峨菊を改良して作り出したと考えられています。花弁は細長く、縮れて咲き始め、伸びるにしたがって花弁が垂れ下がるのが特徴で、珍奇な形の花をつける菊として貴重です。また、大輪咲きの伊勢菊(松阪菊)は、現存する品種も少なく貴重です。

伊勢菊(松阪菊含む)

奥州菊

青森県八戸地方で品種改良された菊で、両手で花をキュッと掴んだように盛り上がり、太い花弁が垂れ下がるのが特徴です。

奥州菊

丁子菊

江戸時代最初の流行期、元禄(1688~1736)頃に「丁子咲」として最初に現れた系統です。花芯部の筒状花が丁子弁になって盛り上がって咲くのが特徴です。

丁子菊

「伝統の古典菊」関連の催し

くらしの植物苑観察会 第272回観察会「外国人がみた古典菊」

講師 平野 恵(台東区立中央図書館)
日時 2021年11月27日(土) 13:30~15:30
会場 くらしの植物苑

「伝統の古典菊」概要

名称 くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」(くらしのしょくぶつえんとくべつきかく でんとうのこてんぎく)
所在地 〒285 - 8502 千葉県佐倉市城内町117
開催期間 2021年11月2日~28日  9:30~16:30(入苑は16:00まで) ※休苑日は11月8日、15日、22日
開催場所 千葉県佐倉市 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
交通アクセス JR総武本線「佐倉駅」から「田町車庫行」のバス「国立博物館入口」・「国立歴史民俗博物館」下車(くらしの植物苑は「宮小路町」下車)
主催 国立歴史民俗博物館
料金 個人100円、高校生以下無料
問合せ先 国立歴史民俗博物館 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
ホームページ https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/plant/project/

<千葉で開催されるイベント>

参加体験型の博物館『千葉県立 房総のむら』リアル江戸トリップ

参加体験型の博物館『千葉県立 房総のむら』リアル江戸トリップ

出典:くらしの植物苑特別企画「伝統の古典菊」







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