初めての歴史展示!男女を区分するのはなぜ?ジェンダーの成り立ちとその変化、買売春の抑圧の構造を社会の特徴から明らかにする画期的な企画展示。
国立歴史民俗博物館で、「性差(ジェンダー)」に特化した企画展示が開催されます。
女性の王や官僚が当たり前だった古代から、明治憲法体制下での完全な女性の排除、そして現代まで、本展では、数々の資料とともに男女を区分する理由を紐解き、ジェンダーの成り立ちとその変化を明らかにする初めての歴史展示となります。
会場では、甲塚古墳―他に類を見ない希少な埴輪の展示や、国内唯一の出土例である、重要文化財の機織型埴輪2体のうち1体と「機を織る女性坐像」の3D画像を公開。
さらに重要文化財《花魁》高橋由一画とともに、新吉原遊廓 稲本屋の売れっ子遊女・小稲の直筆手紙や遊女たちの日記なども初公開され、買売春の抑圧の構造を社会の特徴から解き明かします。
「性差(ジェンダー)の日本史」について
時の流れに浮かんでは消える無数の事実を指す「歴」と、それを文字で記した「史」。日本列島社会の長い歴史のなかで、「歴」として存在しながら「史」に記録されることの少なかった女性たちの姿を掘り起こす女性史研究を経て、新たに生まれてきたのが、「なぜ、男女で区分するようになったのか?」「男女の区分のなかで人びとはどう生きてきたのか?」という問いでした。本展は、重要文化財やユネスコ「世界の記憶」を含む280点以上の資料を通して、ジェンダーが日本社会の歴史のなかでどんな意味をもち、どう変化してきたのかを問う、歴史展示です。
本展では、まず、政治の行われる空間に着目して、区分の始まりを考えます。人びとを「男」と「女」に二分し異なる役割を定める社会は、古代律令国家の形成とともに形づくられ、家が政治空間の場となった中世・近世、政治の場から女性を完全に排除する近代国家の確立を経て、現代にいたっています。その過程はどのようなものだったのでしょうか。
また、仕事とくらしのなかの男女にも光を当てていきます。古代の木簡や古墳から出土する埴輪は、これまで 知られてこなかった古代の男女の労働実態を物語っています。中世や近世の田植え、人びとの髪を結う仕事、さまざまな職人たちの姿からは、男の職業、女の職業という私たちのイメージが、いつ、どのように生まれてきたのかが浮かび上がってくるでしょう。
さらに、それぞれの時代の社会の特徴とジェンダーに大きく左右される性の歴史を、中世から戦後までの性の売買に注目して考えます。「売春は最古の女性の職業」と言われますが、それは本当でしょうか。遊女として生きた女性たちの日記や手紙なども紹介しながら、男女の区分や位置付けを深く反映する性の歴史を振り返ります。
無意識のうちに私たちを強くとらえているジェンダー。
その歴史は、驚きと発見に満ちています。企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」では、歴史の面白さを満喫しながら、ジェンダーにとらわれず、誰もが自分らしく生きられる社会を築く手がかりを見つけていただけるのではないでしょうか。
「性差(ジェンダー)の日本史」のみどころ
男女を区分するのはなぜ?ジェンダーの成り立ちとその変化を明らかにする、初めての歴史展示。
甲塚古墳―他に類を見ない希少な埴輪を展示!
国内唯一の出土例である、重要文化財の機織型埴輪2体のうち1体と「機を織る女性坐像」3D画像を公開!
重要文化財《花魁》高橋由一画とともに、新吉原遊廓 稲本屋の売れっ子遊女・小稲の直筆手紙や遊女たちの日記なども初公開! 衣装や道具、手紙や日記からみる遊女・娼妓のくらしと買う男たち。買売春の抑圧の構造を社会の特徴から明らかにする、画期的な展示。
日本初のユネスコ「世界の記憶」から、山本作兵衛の炭坑記録画《入坑(母子)》など3点を出品!
女性の王や官僚が当たり前だった古代から、明治憲法体制下での完全な女性の排除、そして現代へ――空間に着目して政治とジェンダーの歴史を解き明かします。
イベント名 | 企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」 |
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開催期間 | 2020/10/06(火) ~ 2020/12/06(日) |
最寄り駅 | 京成佐倉駅 |
会場 | 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B |
時間 | 開始:9:30 終了:16:30 備考:入館は16:00まで |
料金・費用 | 一般 1,000円、大学生 500円 ※総合展示もあわせて観覧可能 ※高校生以下は入館料無料 ※高校生及び大学生の方は、学生証等を要提示(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様) ※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介助者と共に入館が無料 ※半券の提示で当日に限りくらしの植物苑に入場可 |
オフィシャル サイト |
国立歴史民俗博物館 |
注意事項 | 開館日・開館時間を変更する場合があります。 |
備考 | 毎週月曜日、11月4日(水)、11月24日(火)は休館 ※ただし、11月23日(月・祝)は開館 |
出典:国立歴史民俗博物館