大賀ハス(オオガハス、おおがはす)は、古代のハスの実から発芽・開花したハスで、「古代ハス」と呼ばれています。
初夏を彩る花は数々ありますが、世界から注目を集め人々の心を魅了しつづけているのが、千葉市の花「大賀ハス」です。
たった1粒から現代によみがえった「検見川の大賀蓮」は、千葉県の天然記念物に指定されています。
「大賀ハス」は、約2000年前の古蓮と推定され世界最古の花として光をあび、この季節、千葉公園には毎年たくさんの方々が訪れます。
開花から4日間の短くも美しい神秘的な姿は、今もなお、たくさんのリピーターをひきつけています。
大賀ハスの実、たった1粒から世界最古の花が復活
1951年(昭和26年)、大賀ハスの実は千葉県千葉市検見川(現・千葉市花見川区朝日ケ丘町)にある東京大学検見川厚生農場(現・東京大学検見川総合運動場)内の落合遺跡で発掘されました。
落合遺跡の発見
1947年(昭和22年)に草炭採掘現場でたまたま1隻の丸木舟と6本の櫂をみつけ、東洋大学と日本考古学研究所が加わり発掘調査が行われたところ、もう2隻の丸木舟とハスの果托などが発掘され、「縄文時代の船だまり」であったと推測され落合遺跡と呼ばれることになりました。
植物学者のハスの権威者 大賀一郎
そして、植物学者でハスの権威者でもある大賀一郎(当時・関東学院大学非常勤講師)が発掘品の中にハスの果托があることを知り、1951年(昭和26年)3月3日から地元の小・中学生や一般市民などのボランティアの協力を得てこの遺跡の発掘調査を行いました。
打ち切り間際の奇跡
翌日で発掘調査は打ち切りという30日の夕刻になって、花園中学の女子生徒により地下約6mの泥炭層からハスの実1粒が発掘され、予定を延長し4月6日に2粒、計3粒のハスの実が発掘されました。
3粒の実の発芽育成を試みる
2000年前の実から発芽が可能なのかとそれ自体ビックリなのですが、本当の話です。
なんとこのうちの1個の実が発芽に成功、翌年の昭和27(1952)年7月18日に、大賀ハスは見事に花を咲かせ、2000年の眠りから目を覚ましたのです!
また大賀は、年代を明確にするため、ハスの実の上方層で発掘された丸木舟のカヤの木の破片をシカゴ大学原子核研究所へ送り年代測定を依頼した。シカゴ大学のウィラード・リビーらによって放射性炭素年代測定が行われ、ハスの実は今から2000年前の弥生時代以前のものであると推定されました。
世界最古の花
このBIGニュースは世界を駆け巡り、国内では『毎日グラフ』、海外ではアメリカの雑誌『LIFE』でも紹介されました。
その人気は今でも衰えることなく、大賀ハス(古代ハス)と呼ばれ、世界中に株分けされています。
大賀ハスは千葉公園でも「世界最古の花」として見ることができます。
また1993年(平成5年)4月29日には千葉市の花として制定され、現在千葉公園(千葉市中央区)ハス池で6月下旬から7月に開花が見られる。日本各地は元より世界各国へ根分けされ、友好親善と平和のシンボルとしてその一端を担っています。
大賀ハスのシンボルキャラクター「ちはなちゃん」
「花のあふれるまちづくり」のシンボルキャラクターとして知られる「ちはなちゃん」もオオガハスの妖精をイメー ジして生まれました。
平成15年に全国からデザインを募集し、市民投票により「花の都・ちば」キャラクターに決定いたしました。
市の花「オオガハス」や「花のあふれるまちづくり」のPRに大活躍しています。